

▲ 酒に関する知識はさすが。東武百貨店池袋店 食品部和洋酒・ギフト担当 セールスリーダー 吉崎氏
カップ酒ブームが訪れて特筆すべきは、ポピュラーになった有名銘柄から、米造りから徹底的なこだわりを持つ蔵元までが発売を開始したことだ。
「この蔵がよくぞ!と思うような銘柄まで発売していますね」という問いかけに、吉崎氏は、「カップ酒をきっかけにして、酒の旨さを知ってほしい、という狙いがあったようです」とのこと。その狙い通りには必ずしもいっていないという皮肉な一面もあるが、今でも月平均2000カップ程度を売上げ、幅広い世代の愛飲家が足を運ぶそうだ。

▲ どれにするか選ぶ楽しみ。思い切って“ラベル買い”もおすすめだ
池袋東武百貨店に並ぶカップ酒は、約30種類弱。思わずマニアも喜ぶ品揃えだ。 それもそのはず、吉崎氏自身が惚れこんだお酒を置くために、プライベートな時間を使ってまで蔵に一年間通い詰め、ようやく取引が成立した銘柄もあるという。思わず胸が熱くなるエピソードだ。
今回、ここで紹介するにあたって4銘柄を選定いただいたが、「神亀」という銘柄がまさにそれである。デパ地下グルメを入手したら、それに合わせたカップ酒を購入してみてはいかがだろう。
DATA/東武百貨店 池袋店 TEL:03-3981-2211(代表)
※価格はすべて税込です。

カップ酒を扱う店の姿勢や愛飲家の楽しみかたを追うほどに、日本酒を愛する想いと、普及にかける情熱のようなものが強く感じられた。「みんなに美味しい日本酒を飲んでほしくて」。そう言って笑う取材先で出逢った人々の笑顔に、低迷していると言われる日本酒業界の新しい明日が見えた。
田中青佳/20歳で日本酒サービス研究会・酒匠研究連合会(SSI協会)認定の“きき酒師呼称資格”を取得。現在「おとりよせネット」をはじめ数々のメディアにて執筆する他、PARTY等にて“酒姫”名義で日本酒ケータリングも行う。
今回の取材を通し、改めてその底力を感じたカップ酒がある。「神亀純米酒(神亀酒造)」だ。とにかくこの酒には「手ごたえ」がある。燗にしてグっと深みを増す味わい、米の香り。米にこだわる酒造り、熟成させてからしか出荷しない姿勢。
「飲みやすい」がホメ言葉だと思われているなかで、この「手ごたえ」、ホンモノ過ぎる酒かもしれない。いろいろな意味で覚悟して、この酒には向き合うしかないようだ。