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今でも怖い「昭和の都市伝説」 口裂け女に、カシマさん…

都市伝説Vol.01 ある日の薄暗い夕刻。小学生の女の子が学校からの帰り道に、マスクをした女から「ワタシ、キレイ?」と声をかけられた。「キレイだよ」と女の子が答えると、その女は「これでもキレイ?」とマスクをはぎ取った。その下の口は耳もとまで裂け、血がしたたり落ちていた。「あなたもワタシみたいにしてあげるね」手に持った大きな鎌で、女の子の口をザックリと裂いた。口裂け女は、日々どこかで小学生に声をかけているという…。

 「ワタシ、キレイ?」 都市伝説の女王「口裂け女」

話題の映画「口裂け女」が3月17日より公開される。「口裂け女」と聞いて、懐かしさとともに恐怖がよみがえってきた人も多いのではないだろうか。「口裂け女」とは、昭和54年に子供たちのあいだで爆発的に広まった「都市伝説」だ。私も当時は噂をすっかり信じ込み、震え上がっていたクチだ。

「口裂け女」が猛威をふるったのは、昭和54年頃。初めは岐阜県八百津町で目撃されたそうだ。以降、瞬く間に日本全国に広まり、「100メートルを3秒で走る」「べっこうあめが好物で、夢中でなめてるすきに逃げられる」「ポマードと3回唱えると逃げ出す」など、さまざまな尾ヒレがついて恐れられた。集団下校をする小学校や目撃情報からパトカーが出動することもあったという。

都市伝説Vol.2. ある女性が、暴行をされたことを苦にして電車に飛び込み、胴から真っ二つになって亡くなった。それからというもの、上半身だけとなった彼女が足を求めてさまようようになる。両手だけではうように歩く彼女を見た者は、その日のうちに死ぬという。そして、この話を聞いたが最後、その夜に必ず彼女があなたのもとに現れる…。

現代に生き続ける妖怪 カシマさん

「カシマさん」という名前に聞き覚えはないだろうか?本名をカシマレイコというこの女性こそ「怪奇系都市伝説」の代表であり、ヒロインだろう。

実はこのカシマさん、有名なだけあってバリエーションが豊富なのが特徴だ。全国各地に、その地方ならではのカシマさんが存在する(下コラム参 照)。映画「新生トイレの花子さん」では、なんと悪霊と戦うヒロインで登場。演じたのは高島礼子さん。そう、「タ"カシマレイコ"」だからだ。

カシマさんのことがもっとよく知りたいのなら… 「カシマさんを追う」松山ひろし著(アール出版)都市伝説収集家の著者が考察する「カシマさん」の謎。アンケートやさまざまな資料から「カシマさん」がどのように発生し、広がっていったかを追跡する。

▲カシマさんのことがもっとよく知りたいのなら…

口裂け女はカシマさん?? 彼女たちの、意外な関係

ここで取り上げた「口裂け女」と「カシマさん」。まったく違う話のようで、実は大きな共通点が。なんと、口裂け女の名前はカシマレイコ、つまり二人は同じ人物なのである。口裂け女がはやる少し前、昭和40年代の話。原爆で顔半分が溶けてしまったカシマという女の霊があらわれ、「ワタシ、キレイ?」と聞いてきたという。おりしも当時は東西冷戦のまっただ中。ベトナム戦争は泥沼化し、核の脅威を肌で感じる時代だった。そんな社会に満ちる不安感が、顔が溶けたカシマさんを作り出した。口裂け女は、この話をもとにして生まれたと思われる。時代の不安感が「カシマさん」という謎の名前に乗り移り、私たちの前に現れたのだ。