

▲全国に広がる、さまざまなカシマさんに関する噂
口裂け女が誕生して30年、カシマさんに至っては40年以上の歴史がある。では、なぜ都市伝説はそんなにも長い間、熱心に語られるのだろうか? それが意味するところは、いったい何なのだろうか?
「友達の友達が…」という、あいまいだけどリアルな話。そこに人々の潜在的な不安や願望が乗っかって、ものすごく"しっくりくる話"になる。これが都市伝説が広まる基本的な構造だ。ところで、読者の方々にはどれくらいの知り合いがいるだろうか? 昔の同級生や同僚、取引先の人々…仮に300人として、知り合いの知り合いというと300×300で、もう9万人になる。もちろん単純計算にすぎないが、ある実験では7人くらいの人づてで、全国のどんな人にもつながってしまうという。
現代に生きる民話、それが都市伝説なのだ。さしずめ登場人物の「口裂け女」や「カシマさん」は、現代版の妖怪だろう。「怖い人」が一番のリアリティーを持っているのが現代社会だ。「妖怪」よりも「人」が怖い。口裂け女は、まさに現代人が作り出した妖怪なのである。
ところで、本文「ピアスの穴から白い糸」の項で、逆立ちダイエットについて触れた。逆立ちすると脂肪燃焼を助けるソウハレーコ酵素が分泌されるのだが…。ソウハレーコが逆立ちでひっくり返って「コレハウソ」そう、これはウソ。さっき私が作ったのである。こんなのがダイエットブームに乗って、うっかり広まると…新しい都市伝説の誕生だ。
最近になって「カシマさんという女の子が、いじめにあって自殺した。この話を聞いた人はカシマさんに呪われる」という話が出てきたという。やはりカシマさんは生き続けていて、いじめという社会問題を背負って現れた。残酷な社会の現実を、私たちの前に叩きつける。これがカシマさんの呪いの正体なのだろうか?
足立綱木/国内外のオモシロ&くだらな情報を収集、執筆。企画集団ポーラスタァの時事分野を担当。
べっこうあめが大好物という口裂け女。現代ではこれにチュッパチャプスが加わったらしい。チュッパチャプスはバルセロナ生まれのキャンディーで、そのロゴマークをサルバドール・ダリがデザインしたというのは有名な話。このキャンディー、どうなめてもなくなるまでに3分は必要。口裂け女から逃げ切るにはじゅうぶんだ。
